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■野口レポート

No.224 ITの落とし穴 Ⅱ (平成27年5月)

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「相続の研修と実務を通じて、自分を磨き、人の役に立ち、社会に貢献する」これは副理事長を務めている相続アドバイザー協議会の理念です。15年間この理念は一度もブレたことがありません。今では会員様も全国で1,000名を超える相続団体となりました。
SA協議会本部のある山手線高田馬場駅に降りると、鉄碗アトムのテーマ曲が発車メロディーとなってホームに流れてきます。
未来都市をバックに、飛び立っていく鉄腕アトムは永遠のヒーローです。手塚治虫の作品にはロマンがありました。少年達は競って手塚漫画を読み空想の世界に浸りました。
そのなかに人間がロボットに征服されてしまう話がありました。人間がロボットに征服される!?馬鹿な!とお思いでしょうが、今まさに人間はロボット(電子頭脳)に征服されようとしています。
どこを見ても一心不乱にスマートフォン、電車内の光景は異様な感じさえします。携帯やスマホを使っているつもりが、使われてしまっています。このことに気付いている人は少ないです。
地図や人間の勘はもう必要ありません。カーナビがどこへでも連れて行ってくれます。大事な電話番号も自分では思い出せません。難しい漢字もスマホが瞬時に変換してくれます。会計ソフトもどんどん進化、経理の人は不要になってしまいます。


昭和の時代はレジにお釣りを計算する機能はありませんでした。だが、お釣りの計算は誰もが当たりまえにできました。今はレジが至れり尽くせりです。人間は頭を使う必要がありません。大人でもお釣りの計算ができない人がいるそうです。
「メール脳」聞きなれない言葉です。長時間に亘り、ゲームやメールを使っている人の脳を見ると、認知症の人と同じような現象が出ているというショッキングなものです。
ITが進化し頼るほど、人間の脳は退化していきます。このままでは、人間は電子頭脳(ロボット)に征服されてしまいます。
今から半世紀以上も前、すでにこのことを察し、警鐘を鳴らしていた手塚治虫の鋭い洞察力には驚きます。
私は年賀状の宛名は手書きです。便利な時代に不便を選んでいる理由は、相手の名前を書くことで、年に一度は心のなかでお会いできます。積み重ね(一枚一枚)の大切さを実感できます。
ハガキ道の坂田道信先生、トイレ掃除の鍵山秀三郎先生、お二人にお会いすると桁外れの人間力を感じます。
坂田先生は、1日に30枚以上のハガキを書きます。鍵山先生のトイレ掃除は哲学の域に達し、掃除を通し人の心を磨いています。お二人とも、あえて不便を選んでおられます。
人間が作ったものに、人間が使われてしまう。ITの落とし穴です。この落とし穴にはまらないためにも、原点に戻り、時には意識して不便を選んでみることも必要ではないでしょうか。

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