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■野口レポート

No.227 相続税制改正から7カ月 (平成27年8月)

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相続税制改正を受け平成27年1月1日の相続から相続税基礎控除(以下基礎控除)が引き下げられました。昨年までは、テレビ・新聞・経済誌・週刊誌等が大見出しで取り上げ、知識の乏しい一般市民の不安を必要以上にあおりました。
ビジネスチャンスとばかり、ハウスメーカーなども盛んに相続税対策セミナーを開催しました。借金の怖さが分からず、提案されるがまま節税対策をしてしまった人もいます。
あれから半年が過ぎました。実際に相続現場での影響はどうでしょうか、この7カ月で相談を受けた相続案件の分析です。
①相続税の課税されない人 → 45%
②特例(申告が必要)が受けられ相続税の課税されない人 → 15%
③100万円前後の相続税の課税される人 → 15%
④300万円以上の相続税が課税される人 → 20%
⑤1億円以上の相続税が課税される人→ 5%
②の層は昨年(改正前)までは、基礎控除以下で、何もしなくても相続税が課税されなかった人です。
③の層は昨年(改正前)までは、小規模宅地の特例等の要件を満たし、相続税申告をすれば課税されなかった人です。


この分析はあくまで今年に入りアルファ野口が受けた相談や、受託した相続案件が対象です。地域性などで割合は異なってくることを承知の上、参考にしてくださればと思います。
今回の基礎控除の改正で影響を受けるのは②と③と④で、⑤は大勢に影響しません。また、小規模宅地の特例も240㎡から330㎡に拡大されました。要件を満たせば基礎控除の引き下げ分を吸収してしまう相続もあるでしょう。
注目していただきたいのは、大変だ!と言われていた、自宅と預貯金2000万円前後の③の層の納税額です。払えないお金ではありません。この③や④の前半の層の人たちに、借金を背負わせてまで、相続税節税対策をすすめる必要があるのかどうかです。
むしろ必要なのは節税対策より、遺言などで争いを防ぐ遺産分割対策ではないかと思います。相続の現場で起きる相続争いのほとんどが財産の少ない①~③の層で発生しています。
バブル期には相続税対策の名の下に大きな借金をした人が沢山いました。バブルが崩壊し、価値が急落する不動産に対し、価値が下がらない借金、気がつけば資産と借金が逆転し債務超過です。資産家が悲惨家となり、相続放棄せざるを得ない地主さんもいました。
地主さんは大きなお金に無防備です。そして小さなお金にはシビアです。メーカーなどの無料の相続セミナーでは限界があります。有料の相続セミナーは偏らず公平です。目先の費用を惜しまず、正しい知識を得ておくことも「自己防衛」ではないかと思います。

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