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■野口レポート

No.116 タイムマシン (平成18年5月)

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海の中に住む魚は「海」がわからない。「幸せ」の中に住む人は「幸せ」がわからない。「幸せ」は「手にいれるもの」でなく「感じるもの」「気付くもの」。 ― 小林正観さんの言葉です。―
ネットワークから実務に精通した、税理士、土地家屋調査士、司法書士など、適切な専門家を選び、仕事が円滑に進むよう、各専門家と相続人の間を調整していくのがコーディネーターの役割です。何を知っているかでなく、誰を知っているかで相続は80%決まると言っても過言ではありません。
相続をコーディネートするにあたり、相続人に必ず聞くことがあります。幼いころの兄弟の仲の良し悪しです。返ってくる言葉は、ほとんどが「仲が良かった」です。
昭和20年代は貧しく物のない時代でした。衣服は、お兄ちゃんお姉ちゃんのお下がりがあたりまえ、食卓も質素で玉子など病気でもなければ食べられませんでした。遠足の朝、母親がそっとリュックに入れてくれたバナナの味は忘れません。
いやな顔ひとつせず「物乞いのおじさん」の差し出す茶わんに、麦の混じった飯を盛り、味噌汁をかけてあげている母親の姿、たのもしい大黒柱(父親)の後ろ姿など、子どもにとって最高の教育でした。貧しくとも分け合うことのできる心豊かな時代でした。


学校の成績が少しぐらい悪くても、社会に出て立派に活躍している人はたくさんいます。私も勉強が不得手でした。五十路を前に受験した宅建試験がキッカケで好きになり、いらい勉強が楽しくてしかたありません。勉強は自主性が大切です。
今の子どもは可愛そうな気がします。やれ塾へ通え、やれ勉強をしろ、あの子に負けるな、親の欲は尽きるところを知りません。子どもは成績だけで判断されてしまいます。お母さん、子どもを授かったとき何を望みましたか、五体満足だけを願ったはずです。
もし、タイムマシンがあったなら皆で乗ってみましょう。
いじめっ子から弟を守ってくれているお兄ちゃんがいます。おいてきぼりで、ベソをかいている妹がいます。笑顔で食卓をかこんでいる家族と、仲の良い兄弟姉妹の姿があります。
もう少し時代を遡ってみましょう。額に汗し朝から晩まで野良仕事、薄暗いランプの下で遅くまで夜なべ仕事、ご先祖様の尊い姿です。苦労し残してくださった財産です。多い少ないなどと子孫が争ったら罰があたります。
お母さんお父さんも、タイムスリップしてください。生まれた赤ちゃんを囲み、満面に笑みを浮かべている人がいます。自分たちの姿ですよ。五体満足の赤ちゃん、それだけで十分のはずです。
相続、子育、人間関係などで、不平不満、グチ、泣きごと、悪口、文句が言いたくなったら、タイムマシンに乗ってタイムスリップしてください。「幸せに気付かない」不幸せな自分に気付きます。

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