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■野口レポート

No.171 這いつくばって生きていく (平成22年12月)

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10年前に立ちあげた野口塾(相続実務学校)のなかに、発足当初からの塾生で、介護と相続に活躍している行政書士の西川博章さん(野口流相続コンサルティング免許皆伝)がいます。
10年前に西川さんがある会報に寄稿した文面です。
「介護保険制度が始まり、数カ月、色々と問題が出てきている。又、成年後見制度も動き出したが、私には、全然関係がないといっていい。立派な先生は、施設の顧問になり、任意後見人にもなれる。
私は、いつも、這いつくばって生きている。
10月1日に、顧問ではなく、ホームヘルパー2級資格者になる。実務経験1年6カ月である。次に狙っているのは、介護福祉士。別に趣旨替えしたわけではない。基本は、行政書士である。介護活動の中から人と人との結びつきを考えている。
又、今月から東京にある相続アドバイザー協議会で相続に関する勉強をはじめた。遺言・遺産分割協議書、土地の有効活用、相続ではなく争族の防止、資産経営、介護と年金制度、そして税金等などを学ぶ。介護と相続のプロの行政書士として、這いつくばって生きていこうと決めた。とにかく今は勉強の毎日だ。その件は「行政書士西川に聞いてくれ」と言われるようになれたらと………。」


西川さんは、これから行政書士として生きていくためには、介護と相続が必須項目と信じ、ひたすら勉強と精進を重ねました。また、介護老人保健施設で5年間にわたり介護の実務も体験しました。
そして、介護福祉士・ケアマネジャー・社会福祉士・精神保健福祉士等、10年間で介護に関する全ての資格を取得しました。
平行し居宅介護支援事業所、訪問介護事業所等を立ち上げ、収益よりも衆益に重点を置いて仕事をしています。
成年後見制度が創設され10年になります。お金持ちには立派な先生がついてくれます。しかし、後見を必要とする人の多くは、社会的・経済的弱者です。この人達を引き受ける職業後見人の仕事はハードです。しかも、労務が対価に反映しないのが実情です。
西川さんは、一切差別をせず、断固たる信念を持ち後見業務に臨んでいます。現在、27名の成年後見人を引き受けています。
また、介護の先には必ず相続が待っています。民法には寄与分制度がありますが、現在の法律では親の介護をしても、寄与として相続分に反映することはほとんどありません。法律と常識は一致しません。平等も公平ではありません。ここが相続の難しさです。
日本広し、とはいえ、介護の現場に精通し、相続のできる人はそうはいません。西川さんは、介護と相続の現場に正面から立ち向かい、今ではこの分野の一人者です。10年前の想い通り、その件は「行政書士西川に聞いてくれ」と言われる存在になりました。
強さのなかに優しさを持ち、這いつくばりながらも現在の地位を築いた西川博章さんは私の誇りでもあります。

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