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■野口レポート

No.199 家系分析のすすめ (平成25年4月)

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公認会計士で事業構想大学院大学教授の天明 茂(てんみょうしげる)先生と知りあいになりました。
故薄衣佐吉先生(公認会計士・日大教授)に師事され、倒産しかけた多くの中堅・中小企業を独自の手法で再建されてきた方です。
天明先生がある会報誌に家系分析について、次のような論説を載せています。一部を抜粋し紹介させていただきます。
「家系を調べる目的が、わが家は源氏の流れを汲んでいるとか、先祖が皇族・華族だとか、徳川家康の末裔など、自分の家系の栄光を探り誇るためでは決してないということ。家系分析の目的は、親・先祖の生きざまを調べることを通して自分を客観的に見つめ、自己の成長に生かすためである。由諸ある家系に生まれることは喜ばしいことではあるが、それを自慢のタネにすることなく、良き因が受け継がれていることに感謝を深め、先祖に恥じない生き方をすることが大切である。」さらに凄いことが書いてあります。
「反対に、親・祖先に対立、若死、離婚などが多く、また仮に罪人が居たとしても、これを責めたり嘆いたりするのではなく、この因子が自分の中にも受け継がれていることを受け入れること。この上で、先人の悲しみや苦しみを理解し、慰霊し、再び自分の代で繰りかえすことのないように自己を律していくことが大切である。」


行き詰まる会社の社長のほとんどが、夫婦が対立している、内縁関係でもめている、親を恨んでいる、激しい相続争いがある、墓参りもしたことない、などなど。家庭が崩壊しているそうです。
薄衣佐吉先生の考え方は「会社の再建は社長の家の再建から」とし、最初にすることは決算書のチェックでなく、社長にご先祖様のお墓の掃除と墓参りをしてもらうことからはじめます。
凄いのは債務カットを一切させないで、10年かかっても20年かかっても債務は全て返済するという条件での再建です。
仲が悪い夫婦を仲良くさせる。先祖を敬いさせる。債務カットはしない。言葉で言っても現実には生やさしいことではありません。薄衣流の会社再建は社長が劇的に変身することが前提です。
そこで家系図を描いてもらうのです。4代先まで家系を遡り分析し、家系図を描き、親・祖先の生きざまを調べます。いかに自分は親・先祖の苦労を知らずにきたか、自分が批判していたことにどんなに親・祖先が悲しまれたかが分かってきます。また、家系分析を深めれば深めるほど、先祖が同じことを繰り返してきたかに驚きます。そして問題の因が分かってきます。
企業再建の一番の要は社長の心と德の改善です。社長が劇的に変身するための手法が家系分析なのです。
相続で争う人の家系も、遡れば先人が同じことをしている気がします。相続争いは、勝っても負けても不幸になります。悪しき因は自分の代で断ち切り、子孫に承継させないことが大切です。

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