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■野口レポート

No.203 相続コンサルの健全な発展を願う (平成25年8月)

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副理事長を務めている相続アドバイザー協議会(現NPO法人)を立ち上げたのは平成12年でした。当時は相続を横断的に系統づけた研修講座や相続団体はありませんでした。
あれから13年、世は高齢化から高齢社会に突入し相続は増え続けています。今や相続を避けてしまったら、本来の仕事も逃すことになります。気づいた、不動産業・建築業・生命保険・金融機関・各士業など、あらゆる分野が相続に参入してきています。
右を見ても左を見ても相続、この巨大市場に注目し、ここ数年で相続団体や研修団体が「雨後の筍」のごとく発足し、相続戦国時代の様相を呈しています。また、一定の研修終了や試験のもと、独自に資格を認定し名称を与えているところもあります。
素人がこれらの名称を見れば、この人は相続のプロ中のプロだと思ってしまうでしょう。今後、これらの団体が与える資格者が増えてきます。相続の実務は法律や財産に人の心が複雑に絡んでくる難しい分野です。またコンプライアンスの問題も十分見据えなければなりません。相続実務は資格を得たからと、一朝一夕にできるものではありません。求められるのは学歴と経験です。ここで言う学歴は早稲田や慶応のような学校歴ではありません。


これまでに相続に関し、どのくらい勉強をしてきたのか、これからも学び続けることができるかです。相続コンサルタントは生涯勉強です。学ぶ意欲が無くなったら廃業を意味します。勉強はお客様に対する、コンサルタントとしての最低限のエチケットです。
もうひとつ相続のプロとして大事なことがあります。それは現場での経験です。1の実務は100の勉強に勝ります。難度の高い仕事、手間暇ばかりで報酬に反映しない仕事もあります。だが仕事を選んでしまったら、プロとしての力はつきません。コンサルタントはお客様や相談者様に育てられることを忘れてはなりません。
今、セカンドオピニオンとして悩める相続人様のご相談を受けています。このコンサル会社の対応には「心」がありません。建築会社や不動産会社にも同じことが言えます。いくら一流に見えても仕事に「心」がなければ三流です。
今後、各研修団体が認定した資格者が続々と世に送り出されてきます。これらの名称を単に商売の道具として使ってほしくはありません。相続コンサルはお客様の人生をも預かる重い仕事です。このことを認識し、心して取り組んでほしいと思います。
相続団体が増えることは相続コンサル発展のためには悪いことではありません。だが、「資格はあるが実力がない」これは一番恥ずかしいことです。資格を取得したならば、一人でも多くの人が研鑚を重ね、名称に相応しいプロとして育ち、相続で不幸になる人を減らし、少しでも社会のお役に立ってほしいと願っています。

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