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■野口レポート

No.221 ニューヨーク研修の思い出(3) (平成27年2月)

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※16年前のレポートを数回にわたり再度お届けしています。今の米国と比べながら気楽にお読みください。

日本でも外資が不動産を積極的に買っているのが話題になっています。現地企業を訪問し、物件(東京都心の高級ビル)の販売カタログを目前に見せられたときは、さすがに衝撃をおぼえました。
不動産売買は先ず仮契約をし、守秘義務を条件に売主は細部まで物件情報を開示します。買主にも自己責任の意識があり、自分の費用で不動産の人間ドックともいえるデューデリジェンス(精密検査)を実施します。買主が納得したなら本契約締結となります。
通訳を介してですが相続対策や相続を専門に扱っている弁護士の話を聞けました。米国人は合理的で日本人のように土地や財産の所有権に固執しません。お金を生まない土地はどんどん手放します。
財産もバランスよく所有しています。彼らには日本の資産家(地主)が、現金を持ってないことは信じられないそうです。
相続対策もおのずと違ってきます。所有権を財団や各種トラスト(一種の信託)に移し、元本を含め子々孫々が取り崩していく、言い換えると相続税を所得税に振り替える方法が基本のようです。
資産を開示することが財産を守ることだと知っています。専門家も自分の立場は十分承知しています。クライアントは専門家を信頼し、これで全部だ「さあ~何とかしろ」です。
 

多民族国家の米国では相続関係が複雑です。遺言を作成しておくことは常識です。遺言書式はコンビニで当たり前に販売しています。 
財産は自分の意志でどう使おうが誰に渡そうが自由との考えです。日本のように遺留分制度もありません。遺言があれば「ハイそれまでよ」です。ちなみに遺言を意志(will)と呼んでいます。
資産家は離婚時に財産分与でもめないよう、ほとんどが契約結婚とのことです。また、相続人どうしの遺産相続争いもあり、こればかりは万国共通のようです。
日本の相続税は最高税率70%です。根こそぎ刈り取られてしまいます。米国人は賢い!一部だけ刈り取り(税率が低い)残しておけば、再び実り末永い収穫ができることを知っています。
消費税は10%に近いのですが、他の税金は日本に比べかなりゆるやかです。金融ビッグバンでお金の垣根が外された現在、税制のグローバルスタンダード(国際レベルに合わす)は急務です。モタモタしていると日本のお金が外国に逃げてしまいます。
最終日を前に、首都移転事業視察にワシントンに行きました。ホワイトハウスの庭ではイベントが行われており、主(大統領)がいるとみえ、ライフルを持った警備の警官の姿が屋根にありました。沿道等はかなりオープンで警備も日本と比べ手薄です。
セックススキャンダルにもかかわらずクリントン大統領の支持率が依然高いのは、経済政策等の評価とプライベートとは別に考える米国人の合理性を思えば不思議ではありません。 次号へつづく

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