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■野口レポート

No.300 正義と腹八分目 (令和3年9月)

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「腹八分に医者いらず」満腹まで食べず、八分目、七分目ぐらいにしておくと、健康を保ち医者の世話にならないとの話です。
腕に違和感をおぼえました。見ると一匹の蚊がとまっています。腹いっぱい血を吸ったとみえ、まるまると膨らんでいます。重くて飛ぶことができません。ポトリと下に落ちつぶされてしまいました。満腹でなく腹八分目にしておけば助かったものを……。
相続問題や借地借家問題は話がこじれてしまうと、弁護士に依頼し法律で裁かなければ解決できない場合があります。弁護士にお客様を紹介するときは次のことを考えます。
◎飛び込みや、知らない人には地域の弁護士会の電話番号を教えてあげます。パートナーの弁護士は私を信用し、どんな案件でも断わらずに引き受けてくれます。人を紹介することは自分が保証していることを意味します。案件とお客様をよく吟味し紹介します。
◎依頼者側に正義があるのか、弁護士を紹介する前に一番大切なことは、ここを見極めることだと思っています。
◎丸投げをしない。弁護士は法律のプロ中のプロです。依頼者は素人です。どうしても段差が生じます。面談の時は必ず同席しサポートします。依頼者も安心し話が円滑に進み、弁護士も仕事がやりやすくなります。結果として依頼者の利益につながります。


依頼者側に正義があるか、満腹でなく腹八分目でよしとできるか、ここは大事なところです。あとは長年の経験と雰囲気で勝てるかどうか分かります。敗戦処理は別として、ここを判断し弁護士に紹介すれば依頼者が勝利する確率は高いでしょう。
飲食店を35年続けているAさん夫婦がいます。夫婦も高齢となりました。建物も老朽化してきており、家主は建替えを考えています。建築会社の営業マンが来て立退きを迫られました。
相手は立退きのプロです。夜討ち朝駆けで迫ってきます。夫婦は精神的に追い込まれ相談に見えました。素人のAさんでは対応は無理です。弁護士にお願いするのがベストと判断しました。お客様を弁護士に紹介した時は、丸投げでなく最後までサポートします。
Aさんは35年間一度も家賃を滞納したことはありません。家主には立退きの「正当事由」がありません。正義はAさんにあります。夫婦は私のアドバイスを聞いてくださり、立退料も腹七分目でよしとし短期間に立退きを合意することができました。
それから2年が過ぎコロナ禍です。飲食店は時短を強いられお酒の提供もできません。立退料を満額取ろうと欲を出し、営業を続けていたら、コロナで廃業せざるをえなかったと思います。借主から賃貸借契約の解除を申し出たら一銭も要求できません。
正義はAさんにあったこと、早い決断と腹七分目でよしとしたことが勝因でした。コロナになる前でよかったです。立退料はAさん夫婦にとって老後の貴重な糧となるでしょう。

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