■野口レポート
No.198 相続アドバイザー養成講座 (平成25年3月)
NPO法人相続アドバイザー(SA)協議会主催の第25期相続アドバイザー養成講座「短期集中」が終了しました。全国から、士業、不動産、建築、生保、FP、地主など、80数名の受講生が参加し、高田馬場の会場は熱気につつまれました。
平成12年9月から始まったSA養成講座ですが、今年からは大阪を含め年間4回の開催となります。開設当初は税理士さんが主流でした。最近はあらゆる分野から参加いただいており、相続に対する関心や意識が高くなったことを感じます。どんな仕事でも、今や相続は避けて通れなくなってきたのでしょう。
私は第1講座を担当し、「相続の基本と仕組み」と題し、法律・税法・実務など相続全般の講義をしています。後半は「相続は心のコンサルティング」とし、相続アドバイザーとしての心構えと、資格と人格のバランスがいかに大切かを伝えています。
資格(知識・技術)は学ぶことで得られます。人格(人間力・德)は学ぶだけでは得られません。気付くことで初めて得ることができます。人格のない資格は多くの人を不幸にしてしまいます。耐震偽装の某一級建築士などその最いたる例です。
このSA養成講座も受講生の募集に苦労した時期があり、私の第1講座をお試し講座(無料の体験講座)としたこともありました。
体験講座を申し込んだ受講生は、第1講座を聴いて本講座(20講座)の申し込みを判断します。これは非常に責任の重い仕事であり、プレッシャーがかかりました。幸いにして体験受講から本講座に移る確率は高く、当時の試みも(現在はありません)それなりに功を奏し、一応の成果は出すことができました。
相続の全体像は分かっているようで分かっていません。ゾウを知らない人が、闇夜のなかで耳を触っても何だか分かりません、鼻を触っても、足を触っても、背中を触っても分かりません。夜が明けると、これがゾウだと初めて分かります。
相続は闇夜のゾウです。専門知識があっても、全体像が見えなければ適切なアドバイスはできません。養成講座カリキュラムは試行錯誤を繰り返し、苦労しながら完成したものです。
この20講座は相続の夜明けです。全講座を終わると相続の全体像が見えてきます。また、高額な受講料を払い、貴重な時間を割いてくる受講生の意識とレベルは高く、志を同じくする全国の仲間と知りあい、良い縁(ネットワーク)をつくる機会にもなります。
近年、雨後の竹の子のように類似団体が出てきています。SA協議会も25期生の入会で、全国に800名の会員を有する団体となり責任も増してきます。SA協議会理念(相続の研修と実務を通じて、自分を磨き、人の役に立ち、社会に貢献する)の下、心して先駆け団体としての、役目を果たしてまいりたいと思います。
“デッドクロス”と“ゆでガエル” (平成25年2月) ≪前へ次へ≫ 家系分析のすすめ (平成25年4月)
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