■野口レポート
No.264 チコちゃんに叱られる (平成30年9月)
テレビを見る習慣はありませんが、朝ドラ、太河ドラマ、ニュースは見ます。最近は「チコちゃんに叱られる」にハマっています。
チコちゃんは「ぬいぐるみ」で5歳の女の子です。司会の岡村隆史さんとチコちゃんの絶妙なやりとりが何とも面白いのです。
普段は見過ごしている素朴な疑問を、「なぜ」とチコちゃんに質問され、改めて考えると答えが出てこないのです。「なぜ」と質問され大人達は誰も答えられません。だがチコちゃんは答えを知っています。
先日こんな質問がありました。「大人になると時が短く感じるのはなぜ」岡村さんやゲストも答えられません。チコちゃんの答えは「大人になると時が短く感じるのはトキメキが無くなるから」でした。妙に納得してしまいました。
還暦を過ぎると下り坂を転がるように時が過ぎていきます。「光陰矢の如し」たしかに歳をとるごとに時間がたつのが早く感じます。今回チコちゃんがその謎を解いてくれました。
歳をとると新鮮さを感じる感覚が鈍くなます。新しい感動や胸が躍ることも少なくなります。気づかぬうちに単調な日々を過ごしてしまう、だから時が経つのが早く感じるのです。歳を重ねるごとに時間は早く流れていくのだから、1日1日を悔いなく大切に過ごすことです。今の時間を大切にできない人は、将来の時間も大切にできません。
相続実務は、大変だ、いやだなと、気弱になったらそこで終わりです。仕事に対し常に気丈な気持ちと、揺るがぬ信念がなければできません。
ある相談を受けました。相続人は姉(Aさん)と弟です。弟はすでに亡くなり未成年の子が代襲相続人となります。不動産を甥に相続させるかいなか、Aさんは相続人と伯母の立場で悩んでいます。
話を傾聴していくと本人が問題の本質に気づきました。私のアドバイスを聞いて「今鳥肌が立っています」と言われました。気持ちが楽になったとスッキリした顔で帰りました。
遺産分割は普段隠れている人間の本性が表に出てきます。「この時の姿こそ本当の自分の姿」です。どんな相続でも大なり小なり揉めることはあります。だが相続争いはそんなに多くはありません。
大半は多い少ないと兄弟喧嘩のレベルです。相続アドバイザーなどの適切なサポートがあれば、まだ自分達の力で解決できる段階です。
単なる兄弟喧嘩なのに問題が「相続」だから、つい相続争いだと思ってしまいます。弁護士が入ったら本当の相続争いに進展します。
円満相続の秘訣は相続を法律問題にしないことです。難度の高い相続案件を完了し、頑張った自分にトキメキを感じることもあります。
相続は子育ての集大成です。感謝できる子に育てたら、親が残した何にも勝る財産です。相続争いをしたら子育ての失敗です。
古稀も過ぎアッという間の72年でした。だが、気持ちは青春のつもりです。源はトキメキを感じる感性にあるのかも知れません。
チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねえよ!」と叱られぬよう、これからも大いにトキメキたいと思います
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