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■野口レポート

No.149 国を支えて国を頼らず (平成21年2月)

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作家の北康利さんが、月刊誌「致知」のなかで、いま、現代人が最も注目すべき人物の一人として福沢諭吉を語っています。
◎「天は人の上に人を造らず」で始まる「学問のすゝめ」は、四民平等などをうたった本だと受け止められがちですが、中身はまるで違う、諭吉は本書において、国民は自分の勉強不足は棚に上げ、政府に対する不満ばかりを口にしていると批判し、「この程度の国民だから国家もこの程度なのだ。学問をしろ、馬鹿者どもめ!」と頭から冷水をあびせたのです。
◎国を支えていくのは、志をもった国民一人ひとりである。「この人民ありて、この国家あり」すなわち、人民がこの程度のレベルだから、国もその程度のレベルなのだ。
◎よりよい社会をつくるためには成功者を妬まずに敬意を示し、自らもまた努力を重ねることが重要だ、「嫉妬」は人間の最大の不徳であると警鐘を鳴らしました。
◎周りのため、人のため、国のためになろうと思った時に、初めてそこに徳が生まれ、品格が生まれてくるものだと思うのです。
◎諭吉が述べたように、「立国は私なり」という思いを一人ひとりが持って行動すれば、徳のある人間が生まれ、徳のある国家が形成されていくのだと思うのです。   以上抜粋


遺産分割のハンコ代で、相場を聞かれることがあります。ハンコ代に相場はありません、しいて言えば時価です。相続は何ひとつ同じものがありません。状況により異なってきます。
ただし、100万にしようか、200万にしようかと、迷った時は損な方を選んでくださいとアドバイスします。相続は自分に損な方を選んでおけば、まず間違いはありません。
葬儀の香典にしても、5千円と思った時はそれでいいのです。
だが、1万円にしようか迷うことがあります。そんな時は1万円を持って行くようにしてください。迷った時、自分に損な方を選ぶことは人付き合いの極意です。
いつも損得を比べ、自分に得な方を選んで生きている人がいます。打算で生きている人は、仕事や人生でいずれ行き詰まります。その背中を見ている、子、社員、弟子も同じ生き方をします。
「得」したつもりで「徳」を捨て、最後に大きな「得」を失ってしまう人は沢山います。
「国を支えて国を頼らず」、福沢諭吉の目指した道であり、国づくりです。この言葉を会社や家に置き換えると身近に感じます。
家督相続の時代は「家を支えて家を頼らず」でした。頼れるものは己自身の力です。昔、多くの人物が生まれた根底に、家制度があったことは見逃せません。
現代人はいまこそ、諭吉の、気迫、気品、生き様に注目すべきです。国の品格、負の根元も国民一人ひとりにあります。

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