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■野口レポート

No.151 野口レポートが本になりました (平成21年4月)

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10年前まだ駆け出しのころでした。ある資産情報誌に掲載されていた遺言の話に目がとまりました。税理士先生が、子どものない夫婦へ遺言の必要性を書いていました。
だが、法律や税務に終始しており、その文面からは人としての温もり、優しさ、思いやりを感じることができませんでした。
相続や遺言で一番大切なのは法律や税務だけでなく、心の部分ではないか、ならば自分が書いたらどうなるか、それが「第3順位の相続と遺留分」を書いた野口レポート第1号です。以来毎月1回、読者様の励ましを支えとし、13年間続けることができました。
発行にあたり、常に二つのこだわりを持っています。
一つは、書きだめをしないことです。
心のなかに感動の余韻があるうちに皆様にお伝えしたいからです。書きだめは感動が薄れ心が伝わりません。
もう一つは、宛名はすべて手書(現在はFAX)していることです。以前は万年筆を使っていましたが、数が多く腱鞘炎を起こしてしまい、今は毛筆を使用しています。お世辞にも上手な字とは言えませんが、心を込めて書いています。住所録は葉書を利用し、一枚お一人とし、一枚いちまいめくっていきます。目がずれないので確実に書くことができます。丸1日を費やす超アナログ作業です。


お名前を書く度に、お元気かなあ~、どうされているかなあ~と、お顔が目に浮かびます。便利な時代にあえて不便を選んでいる理由は、手書きすることで毎月1回読者様と心のなかでお会いすることができるからです。これは自分に課した修行でもあります。
この野口レポートも今回で151号となりました。
「財産と幸せは一致するとは限りませんよ。相続は譲った人が幸せになりますよ。親の財産をもらうことは、あたり前でなくありがたいことですよ。ご先祖様や親に感謝しましょうね。」
相続は「感謝の気持ちと譲る心」に尽きると思います。これらの言葉は、創刊号から書き続けてきました。
この度、週刊住宅新聞社さんや関係者のご尽力で1号から87号までを、本として出版することができました。ありがたいことです。
また、この野口レポートがご縁で多くの出会いがありました。感性ある限り書き続け、心の旬をお届けできればと思います。
発刊前に3冊ほど献本が届きました。
電車のなかでそっと広げてみました。著者が自分の本を読んでいるとは誰も気がつきません。何か幸せな気分でした。
単独出版は初めてです。今後も時期をみながら87号以降の野口レポートを続編として出版したいと考えています。
この本が、「相続をむかえる人」「相続で悩んでいる人」「相続をアドバイスする人」の一助となり、相続を失敗する人を一人でも防ぐことができたなら、こんなうれしいことはありません。

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