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■野口レポート

No.121 タライのなかの水 (平成18年10月)

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その昔、家事のなかでも洗濯は大変な作業でした。タライに水を汲み、しゃがみこみ1枚ずつ洗濯板でゴシゴシとこすり洗いです。
やがて昭和30年に入り、神武以来の好景気、三種の神器と呼ばれた「洗濯機」「テレビ」「冷蔵庫」など、家電製品が一気に普及し、主婦はタライでの重労働から開放されました。
このタライに張った水が一生の間に稼げるお金です。タライはシーソーの上に置かれ、水の量は既に決まっています。
タライの水は、むこう側に傾けば手前は減少します。こちら側に傾けば手前は増加します。これは、一定の条件の下で必ず成立する原理です。仕事の報酬や人生はこの繰り返しです。
主宰している、野口塾:相続専科の塾生さんにいつも言っていることがあります。
◎ 謙虚さと素直さを忘れないこと、ここで学んだ、知識、実務のノウハウ、譲る心の大切さを、一般や同業にも広く公開し、相続を失敗する人を少しでも減らし、社会に貢献すること。
◎ 面倒なこと、あまりお金にならないこと、どんな仕事でも粗末にせず、相談者やお客様のために全力で取り組むこと。実践していれば必ずお金は後からついてくる。
この二つは野口塾の理念です。


お客様のため正直に一所懸命やっていれば「必ずお金は後からついてくる」、一貫し言い続けてきた言葉です。
今迄で一番小さな仕事は、遺産分割に積み忘れていた20万円の銀行預金を取り崩したことでした。一番大きな仕事は、課税ベースで20億円を超す土地資産家の相続税納税の処理でした。
相談者にとって、荷物の大きさは違っても重みは同じです。
20万円でも20億円でも同じ気持ちで取り組む真剣さが必要です。小さな仕事を粗末にする人に、大きな仕事はできません。
相続は、相続人の幸せを心から考えた時、問題の本質が見えてきます。ある女性相談者から「ここへ来てよかった、今鳥肌が立っています」と言われました。
複数の法律相談へ何回も足を運んだそうです。「初めて違うことを言われました。目からウロコの思いです」と、最後はおだやかな顔で帰っていかれました。
相続問題でモンモンしている人はたくさんいます。分け隔てのない丁寧な対応は、世間のお役に立つことにもなります。「売り手よし、買い手よし、世間よし」、企業、士業(先生)、コンサルタントは、この「三方よし」ができてこそ初めて一流です。
報酬はタライのなかの水です。
社会の責任やお客様を忘れ、利益優先に走る企業やコンサル会社は、常に水を手前に寄せようとします。そしてタライをひっくり返し、いずれ社会から消え去っていきます。

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