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■野口レポート

No.129 ITの落とし穴 (平成19年6月)

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役員を務めているNPO法人相続アドバイザー協議会本部と、活動の拠点は高田馬場にあります。山手線のホームに降りると、鉄碗アトムのテーマ曲が発車メロディーとなって流れてきます。
未来都市をバックに飛び立っていく、鉄腕アトムは永遠のヒーローです。手塚治虫さんの作品にはロマンがありました。少年達は競って手塚治虫さんの漫画を読み空想の世界に浸りました。
そのなかに人間がロボットに征服されてしまう話がありました。今でも強く印象に残っています。人間がロボットに征服される!?
馬鹿なと、お思いでしょうが、人間はロボット(電子頭脳)に征服されようとしています。
どこを見ても一心不乱に携帯メール、電車内の光景は異様な感じがします。携帯電話を使っているつもりが、実は使われてしまっています。このことに気付いている人は少ないです。
住所さえ打ち込めば、ナビゲーターが手取り足取りどこへでも連れていってくれます。抜け道や駅の出口にも誘導してくれます。
地図や人間の勘はもう必要ありません。
どんな難しい漢字でもワープロが瞬時に転換してくれます。
会計ソフトもどんどん進化しています。パソコンの操作さえできれば経理の人は不要になってしまいます。


「メール脳」聞きなれない言葉です。長時間に亘りメールを使っている人の脳を見ると、認知症の人と同じような現象が出ているというショッキングなものです。
ITが進化するほど、頼るほど、人間の脳は退化していきます。このままでは、人間は電子頭脳に征服されてしまいます。
今から半世紀以上も前、このことをすでに感じ、警鐘を鳴らしていた手塚治虫さんの鋭い洞察力には驚きます。
野口レポートを書いて10年が過ぎました。今では約500名の読者様に無料送付しています。封書の宛書は全て手書きです。
この便利な時代にあえて不便を選んでいる理由は二つあります。
宛名を書く度に読者様のお顔が目に浮かび、月に一度は心のなかで必ずお会いできます。一枚一枚書くことで一歩一歩の積み重ねの大切さが身につきます。
ハガキ道の坂田道信先生、トイレ掃除の鍵山秀三郎先生、お二人は、謙虚、穏やか、包容力、心眼、お会いする度に桁外れの人間力を感じます。
坂田先生は、1日に30枚以上のハガキを書きます。鍵山先生は、掃除を通し人の心を磨き、真の「美しい国」を目指しています。
お二人とも、あえて不便を選んでおられます。
人間が作ったものに、人間が使われてしまう。ITの落とし穴です。この落とし穴にはまらないためにも、原点に戻り、時には意識して不便を選んでみることも必要ではないでしょうか。

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