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■野口レポート

No.311 幸せは気付くもの (令和4年8月)

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※こちらのレポートは過去のレポートのリニューアル版です。

海の中に住む魚は「海」がわからない。幸せの中に住む人は「幸せ」がわからない。幸せは「手にいれるもの」でなく「感じるもの」「気付くもの」 ―小林正観さんの言葉です―
ある母親と息子がいます。小学生の息子は小児麻痺と思われる障害があります。母親が息子の手をひいて、私の事務所の前を通り近くにある養護施設のバス停まで送り、夕方には迎えにいきます。
前職のGS跡地に今の事務所があります。この親子の姿はGS時代から長年にわたり見てきました。
年月が過ぎていけば母親は歳をとり、息子も大人になります。白髪になった母親は杖をつきながら、気丈に息子の手をひき送り迎えを続けています。
ある日、すっかり老いた母親の手を不自由な身体の息子が、一生懸命ひいている姿を見て不覚にも涙が出てしまいました。
ここ数年この親子の姿は見かけません。きっと母親は亡くなり、息子はどこかの施設に入ったのだと思います。
私は昭和21年の生まれです。昭和20年代は物のない貧しい時代でした。衣服は、兄や姉のお下がりがあたりまえ、食卓も質素で玉子など病気にでもならなければ食べられません。遠足の朝、母親がそっとリュックに入れてくれた1本のバナナの味は忘れません。


いやな顔ひとつせず「物乞いのおじさん」の差し出す茶わんに、飯を盛り味噌汁をかけてあげている母親、大黒柱の父親、親の後ろ姿は子どもにとって最高の教育でした。勉強も強いられることはありません。貧しくとも心豊な幸せな時代でした。
今の子どもはかわいそうです。やれ塾へ通え、やれ勉強をしろ、あの子に負けるな、親の欲は尽きるところを知りません。
もし、タイムマシンがあったなら皆で乗ってみましょう。いじめっ子から弟を守ってくれているお兄ちゃんがいます。おいてきぼりで、ベソをかいている妹がいます。裸電球の下、笑顔で食卓をかこんでいる家族と、仲の良い兄弟姉妹の姿があります。
子どもの頃はこんなに仲が良かったんですよ。昔を思い出し感謝の気持ちと譲る心を持って相続を受け入れましょう。
もう少し時代をさかのぼってみます。額に汗し朝から晩まで野良仕事、薄暗いランプの下で遅くまで夜なべ仕事、ご先祖様の尊い姿ですよ。苦労し残してくださった財産です。多い少ないなどと子孫が争ったら罰があたります。
お母さん、お父さんも、タイムスリップしてください。生まれた赤ちゃんを囲み、満面に笑みを浮かべている人がいます。自分たちの姿ですよ。五体満足の赤ちゃん、それだけで十分のはずです。
不平不満、グチ・泣きごと、悪口・文句が言いたくなったなら、「幸せの中に住む人は「幸せ」がわからない」この言葉を思い出してください。「幸せに気付かない」不幸せな自分に気付きます。

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