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■野口レポート

No.312 想定外を受け入れる (令和4年9月)

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ある日の夕方、母親から相談を受けました。長男夫婦はマンションを購入し実家を出ています。同居し面倒をみてもらっている娘夫婦に自宅を相続させたい。明日入院をするので、もしものことがあったら悔やむから、遺言を作りたいとのことです。他にも相談したが断られ、私のところへきたそうです。
固定資産税の納付書で不動産を特定し、自筆証書遺言を書いてもらいました。母親は次の日に入院し、帰らぬ人となりました。
後日に娘さんが遺言を持って相談に見えました。父親はすでに他界し相続人は兄と妹です。兄は自筆証書遺言をみて、母親の意思ならばと、妹が自宅を取得することを承諾してくれました。遺言は使わず、遺産分割協議で決めることになりました。
土地やアパートが多くを占める財産構成のなかで、不動産をどう遺産分割に反映させていくか難しいところです。この相続も不動産の価値で意見が対立し揉めにもめました。苦労させられましたが、ようやくまとまり明日は遺産分割協議書への署名捺印です。
夕方、妹から電話が入りました。取引先の銀行員から「それでいいのですか」と言われたそうです。この行員に不動産の価値やこれまでの経緯などわかりません。ここで話が壊れたら今までの苦労が水の泡です。寝つきの悪い夜をすごしました。


予想しなかった想定外のことでした。妹を説得するには時間がありません。翌朝一番で兄に事情を説明し半歩譲っていただき、代償金の調整で何とか収まり、無事に遺産分割協議書に署名捺印をもらうことができました。
なぜ余計なことを言ったんだ、どうしてくれるんだ、そんな気持ちになっていたらハンコは揃わなかったでしょう。この事実を受け入れたから冷静な判断ができたのだと思います。
今、第3相続順位(兄弟姉妹)の相続案件を引き受けています。遺産分割も円満に合意し、あとは遺産分割協議書への署名捺印を待つばかりです。ひと息ついていると相続人から突然電話が入りました。「えらいことが起きてしまった」とのことです。
相続人の一人が昨日交通事故で亡くなったとのことです。これも想定外でした。が、現実を受け入れるしかありません。対応するから心配しないでくださいと伝えました。
亡くなった相続人は、相続人と被相続人の立場になります。遺産分割協議書の表示は、相続人兼被相続人となります。幸いに亡くなった相続人の子どもたちが、合意している内容を承諾してくれました。新たな相続人の確定作業や、相続税の申告なども煩雑になりましたが完了する目途がつきました。
仕事や人生において予想していない想定外のことなど、いつ起きるか分かりません。大事なことはその事実を正面から受け入れて対応する心がまえです。

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