■野口レポート
No.280 25年に感謝です (令和2年1月)
前職から180度の転身をして25年をむかえました。石油業界の先行きも見えてしまい、続けていても将来はありません。
私も当時48才でした、歳からしても転業するにはラストチャンスと思いGS(ガソリンスタンド)の閉店を決断しました。
最大の悩みは次にどんな仕事をするかです。しかし、新たな仕事を見つけてからでは機を逃してしまいます。現在の石油業界の現状を見ると、この時の決断は正しかったと思っています。
お客様へ閉店のあいさつに伺うと2通りの反応がありました。
①閉店を惜しみ本当に残念がってくれたお客様。
②つぶれたのだと思い気の毒そうな顔をしてくれたお客様。
また、世間からは親が始めた商売を息子がつぶしたなど陰口も言われました。が、つぶれるのと閉めるのでは意味が違います。
長く続けてきた商売を、後を濁さずして終わらせる、それはそれで立派なことだと思います。
閉店をむかえた平成5年の大晦日、事務所はお客様からいただいた花束で一杯になりました。一生懸命やってきたことをお客様が認めてくれたのです。30年間の苦労と思いが走馬灯のように浮かびます。
「GS跡地に借金をして賃貸マンションを建てると相続対策になりますよ」と専門家から提案を受けました。当時は相続に関しては全くの素人です。専門家の話を聞いても判断ができません。
専門家の説明を聞いていて、相続には専門家と素人の間をコーディネートする人が必要であると気付きました。これが自分の仕事だ!
そしてすぐ壁にあたりました。税理士でもない、弁護士でもない、そんな自分がどこで報酬をいただけばよいか、相続を冷静に見てみると不動産が動くことに気がつきました。そうだ!不動産屋になればいい、そして相続に特化すれば飯が食えると確信しました。
宅建試験は合格率14%の狭き門でした。酒を断ち人生をかけた受験勉強が始まりました。無事合格し宅建業を開業することができました。
そして相続を徹底的に勉強しました。当時は相続に特化した不動産業者など誰もいません。努力の甲斐あって周りも一目置いてくれるようになりました。あれから25年、多くの経験と精進を重ね、街の不動産業者では相続の第一人者と言われるまでになりました。
私も今年で74歳になります。この歳になり人間としてようやく出来上がってきた気がします。人間力が求められる相続ビジネスでは色々な意味で今が「旬」だと思っています。
相続で悩んでいる人、困っている人、私を必要としている人はまだいます。この人達のためにも、あと10年は現役でいくつもりです。
また、相続アドバイザー養成講座や野口塾を通し、相続の実務家を育てることも課せられた役目だと思っています。
相続コーデイネーターとして難しい仕事を四半世紀続けてこられたのは、信頼してくれたお客様、一緒に取り組んでくれた税理士・弁護士・司法書士などのパートナー、勉強仲間、ファンの皆様、友人、家族など、これらの支えがあったからです。心から感謝したいと思います。
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