■野口レポート
No.160 二枚の宝地図 (平成22年1月)
ゴルフで世界の頂点に立つ、タイガーウッズに不倫が発覚し、メディアをにぎわせています。タイガーウッズはプロのゴルファーなら誰もが目指すあこがれの人です。
石川遼君も彼を目標に頑張っています。尊敬していた人のスキャンダル、遼君の心情はいかほどか。
スポーツ選手は上と比べ、追いつけ追い越せと常に努力をします。これは先生と呼ばれる専門職にも言えることです。この気持ちが無くなってしまったら進歩はありません。銅メダルで満足していたら銀メダルや金メダルは取れません。
ところが相続となると話しは違います。多い少ないと、比べるところから不幸が始まります。財産と幸せは比例しないのです。
親に感謝し譲りあって相続したお金は「生き金」になります。
もらうのは当たりまえと、争いながら相続したお金は「死に金」となります。死に金で人は幸せになれません。これは相続の本質です。
相続に特化した一介の不動産屋として仕事を展開していくなかで、大きな疑問にぶち当たりました。
財産と幸せは同じ方向を向くとは限りません。だが、プロと称するほとんどの人は、この本質や真偽を確かめず、同じ方向を向くとの前提で仕事をしてしまいます。相続人にしてもしかりです。
相続の本質を一人でも多くの人に分かってほしい。また、法律や税法は分かりづらく、まして現場の実務や心の部分は本には書いてありません。目線を下げ温もりある文章を、心をこめて書いたならきっと分かってくださるのでは、そんな気持ちで書き続けてきたのが野口レポートです。
挫折しそうな時もありました。だが、読者様の励ましや自分の信念のもと、一歩一歩をつみかさね平成8年の創刊号から160号までを毎月1回13年間続けることができました。
そして、昨年3月には第1号から第87号までを「心をつなぐ相続」として出版することができました。まだ実務経験も浅く技も心も未熟な頃のものです。
目に見えぬ大事な財産に気づかず、本質を忘れ自分を失い、本来は幸せになるべき相続で、不幸になってしまう人を数多く見てきました。その頃からレポートが変わりました。88号からの後半には私の想いがたくさん詰まっています。
昨年「心をつなぐ相続」でお世話になった週刊住宅新聞社さんから、この度「野口レポート後半部分」を出版する運びとなりました。
幸せは手に入れるものではなく、感じるもの気づくものです。「心をつなぐ相続」は半分の宝地図です。後半の宝地図と二枚つなぎ合わせれば、一番大事な宝物にたどりつきます。
そして、この二巻を読まれた方は相続の本質に気づかれ、円満相続をなしとげ、心のお金持ちになることでしょう。
三度目の警鐘! 坂の上の雲 (平成21年12月) ≪前へ次へ≫ 税制と不動産は生き物 (平成22年2月)
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