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■野口レポート

No.175 感謝の気持ちと譲る心が日本を救う (平成23年4月)

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相続で争う人には共通点があります。親の財産をもらうのは当たり前だと思っています。感謝の気持ちが無いから、譲ることができません。うばい合うから足りません。
相続で幸せになれる人にも共通点があります。親からいただける財産はありがたいと思っています。感謝の気持ちがあるから、譲ることができます。わけ合うからあまります。
東日本大震災の被害はあまりにも甚大で、今だに全貌すらつかめません。家を、船を、車を、おもちゃのように巻き込ながら、怒涛の如く押し寄せてくる大津波。
小松左京のSF小説「日本沈没」が脳裏をかすめます。テレビ画面を見ながら、これは現実だと自分に言い聞かせました。
明治23年和歌山県串本町沖で、トルコの軍艦が暴風にまきこまれ難破しました。近くの島(大島)の住民は、遭難した68人の乗組員たちを、自らの貧しい生活も顧みず、わずかに蓄えていた自分たちの大切な食べ物まで分け与え、親身になって看護やお世話をしました。これが日本人の姿です。
戦後、日本は国民が心をひとつにし、敗戦から驚異的な復興を遂げ、一時は世界の経済大国と言われるまでになりました。


だが、経済的な豊かさの代償として大事なものを失いました。
義務を忘れ権利ばかり主張する人。自分さえ良ければいいと思っている人。ひたすら売り手よしの企業や商売人。国益よりも党利と我欲の政治家。……恥じらいと気品を忘れてしまった日本人。
この巨大地震や大津波はどこに起きても不思議ではありません。自分のところに起きていたら命を失っていたかもしれません。
復興には大きなエネルギーが必要です。税金も上がるでしょう。物も不足するでしょう。暮らしも不便になるかもしれません。
被災を受けなかった人達は、今あることに感謝してください。当たり前に感謝してください。感謝があれば我慢できます。感謝があれば譲れます。皆が少しずつ我慢し、我慢で得たものを被災者や被災地復興のために譲りましょう。
「自分のことより他者のことを考える」誰もが持っていた日本人の心です。これが敗戦後の日本を復興させた原動力です。
この巨大地震の影響が、多岐にわたる複合的大津波となり、日本を襲ってくるのはこれからです。今こそ人の痛みを我が痛みとし、国や国民が心をひとつにし、未曾有の国難に向かうときです。
これは日本への見えざる警鐘のような気がします。多くの犠牲を無駄にしてはいけません。このことに気付き、日本人の心と品格を取り戻すことが、復興と日本再生のカギとなるでしょう。
被災された皆様にお見舞い申し上げるとともに、お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。  合掌

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