お問い合わせ

■野口レポート

No.137 感謝の重石と地主の品格 (平成20年2月)

タイトルページへ戻る

財産を相続税から守ろうとして、目先の節税だけに心をうばわれてしまうと相続対策は失敗します。「どう分けて、どう納めるか」ここの対策をしっかりしておけば相続税は怖くありません。
相続税の最高税率は50%です。いくら大地主でも半分は残ります。節税対策はその後です。
「相続が3代続くと財産が無くなる」よく言われる言葉です。
一般的には高額な相続税が課税されるからだと思われています。私も以前はそう思っておりました。
ところが地主が財産を無くしてしまう原因は、相続税でなく、別なところにあることに気付きました。親の財産をもらうのは当たり前だと思っています。ご先祖様や親に感謝の気持がありません。相続人は相続した財産に重石をしておく必要があります。
宝クジやギャンブルで得たお金は棚ボタ財産です。親が亡くなると突然に入ってくる相続財産も棚ボタ財産です。自分で汗して築いたお金ではありません。棚ボタ財産には重みがありません。泡となってどんどん飛んでいってしまいます。
ご先祖様が頑張ったから今(土地)があるのです。心から感謝することです。その気持ちが相続財産に重みを与えます。「感謝の重石」があれば、相続が何代続いても財産が無くなることはありません。


私も農家(小地主)の息子でした。親が役所勤めの傍ら半農をしていました。子供の頃は、田植、さく切り、麦踏みなど、一通りの野良仕事を経験しました。
昭和20年代後半に父親が畑を宅地に変え、木造の長屋を作り、大家業を開始しました。3畳・4畳半の二間に台所、お風呂はありません。家賃は確か2,500円位であったと記憶しています。当時の農家には貴重な現金収入でした。
その後、神武景気、所得倍増計画、日本列等改造論などが続き、土地の価格が右肩上がりとなりました。土地神話の誕生です。
多くの都市農家は土地を活用し、大家としてアパートなどの賃貸経営に乗り出しました。アパートができれば人が増えます。人が増えれば商店ができ、また人が増えます。昭和40年代の地元商店街は買物客であふれていました。
30年40年と住み続け、地域の発展に貢献してくれた人は、もう立派に地元の人です。時折「よそ者」と言う言葉を耳にすることがあります。この言葉は驕りに他ありません。地主の賃貸経営も入居者様(他からの人)がいるから成り立っているのです。
これらの人達に感謝し、町会やPTAなどの地域活動にも積極的に協力し、決して驕らず謙虚さを忘れず、地域の人から信頼と尊敬を受け、初めて地元で地主が張れるのではないでしょうか。
目に見える財産だけでなく、それに見合った心の財産を持ってこそ、初めて地主に品格が備わり、その「相」(すがた)が何にも勝る教育となって、2代目地主へと「続」いて行くのです。

天職に出会えた幸せ《パート2》 (平成20年1月) 前へ次へ 財産と幸せは比例しない (平成20年3月)

タイトルページへ戻る

このサイトは有限会社アルファ野口より運営されています。
〒211-0012 神奈川県川崎市中原区中丸子538番地 メルベーユマルダ1F TEL. 044-422-1337 FAX. 044-455-0208

Copyright(C)Alfa Noguchi. All rights reserved.