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■野口レポート

No.141 領収書の人生 (平成20年6月)

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人間学を学ぶ月刊誌「致知」に掲載されているイエローハット鍵山秀三郎相談役の巻頭の言葉です。
『 “もっと、もっと、もっと”際限なく求めて欲しがって生きるのは「請求書の人生」であると、知人の有吉説志様から教えていただきました。有吉様は、幼い頃お祖母さんから、寺社にお参りした時は「ありがとうございます」と請求書ではなしに領収書のお参りをしなさい、と教えられたそうです。
向上心や探究心は人の成長に欠かせない大切な条件ではありますが、度の過ぎた要求は人を卑しくし、ひいては国家の尊厳を傷つけることにも繋がります。有吉様のお話を通じて、求めるばかりではなく、いま与えられているものごとに感謝の心を持つ「領収書の人生」を歩めと教えていただきました。 後略 』         
有吉説志様のお名前はこれを拝読し初めて知りました。祖母さまの「領収書の人生を歩め」、素晴らしい言葉ですね。
普段は信仰心のない人でも思わず神仏にすがりたくなるときがあります。以前“苦しい時の神頼み”これは自分から逃げることだと気がつきました。それいらい神社仏閣でのお参りや、ご先祖様の墓参りでは一切願いごとはせず、今あることに感謝して「ありがとうございます」と心から10回ほど唱えることにしています。


押し花絵作家の庄村昌子さんの個展に行ったことがありました。作品はルーブル美術館に展示されるほどすばらしいものです。庄村さん自身も実に謙虚で人間的に魅力を感じます。
庄村さんは作品を作るとき「あなたを最高に輝かせるからね」と花に語りかけるそうです。出張の時など、「帰るまで待っていてね」と声をかけます。すると花は開くのを待っていてくれるそうです。言葉には「言霊」があります。言葉を通し庄村さんの心が花に伝わります。押し花はまるで命があるように輝いています。
言霊には「気」があります。相続の財産分けでもめると、激しい言葉が飛び交います。出てくる言葉は「悪気」を含んでいます。応接室にはこの気が充満します。悪気ばかりを吸っていたら、いくら仕事とはいえ身が持ちません。
相続人が親に感謝し、互いに譲り合うすばらしい相続もあります。
そんな場面にであうと感動します。「お父様はすばらしい子育てをされたんですね」思わず口から出てしまいます。
感謝の言葉や譲る言葉からは「良気」が出てきます。良い気をあびると溜まった悪気が一気に解毒されます。ハッピー相続があるから身が持つのかも知れません。
「請求書の人生」を歩んできた人は、得てして相続争いを起こし、お金では買うことのできない大切な財産を失います。
子や孫に「領収書の人生」を諭した、有吉様の祖母さまは誰にも勝る教育者だったのではないでしょか。

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